『高効率・低コストで大規模に展開可能な太陽光発電システムのグローバル展開』 スマートソーラーインターナショナル株式会社

<'11 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 大賞受賞>

【概要】

既存のパネル型とは全く異なる、一軸追尾集光型を採用した太陽光発電の生産・販売事業。シリコンセルをベースに高い変換効率と発電量の増大が可能な集光型システムで、最も安価な太陽光発電を実現する。国内での改正省エネ法対応・全量買取制度、東日本復興に応えるべく新規システムの販売を行う。宮城県・仙台地区(半導体産業)を拠点とし、インド地域(新動脈構想)と中東地域、アメリカ西海岸への展開を図る。

【受賞コメント】

受賞された感想をお聞かせください。

会社は2009年8月に東京大学エッジキャピタルの出資を受けて設立し、2011年2月に仙台の半導体工場を設けたんですが、3月11日に震災がありまして、影響が大きかったわけです。でも、東北の人たちは粘り強いので、大変がんばっていただいています。今総勢50名ぐらいの方がいます。アイデアの発想なども大事ですが、それを具現化するのはなかなか大変なことです。皆が障壁をひとつずつクリアしてやっていってくれたことが大変素晴らしかったのだと思っています。

事業に取り組んだきっかけをお聞かせください。

私自身は電機メーカーでいろいろやってきましたが、エネルギー事業ではコストをさげないといけない、効率をあげないといけない、あるいは、いろいろな考え方を入れていかないといけない、などいろいろあります。でも、日本初の太陽光発電システムを世界中に普及させたいという想いから、この事業に取り組んでいます。

今後の事業の可能性について、お考えをお聞かせください。

エネルギー問題は東北の復興にからむ問題ですから、1企業や1ベンチャーでできるレベルをはるかに超えていると思います。特にCO2の削減になると世界レベルの話になるので、できるだけいろいろな方にご協力いただきやすいようなビジネスモデルを作っていきたいと思っています。いろいろなメーカーにご支援いただくとか、新しい基軸のものや、あるいは新しい発電所を作っていくというようなことができたら面白いと思っています。

また電気や熱ということになりますと、既存のいろんな、例えばバイオマスなどとのシナジーが出てきます。とにかく日本は今電気が足りませんから、また皆、仕事が必要ですから、そういう要請にこたえられるビジネスモデルでないといけないと思っています。

海外展開もされているようですが、今後の展望をお聞かせください。

エネルギー問題は、日本だけではなく、中国やインドや東南アジアでも大きな問題です。しかも天然ガスの値段があがっていますし、石炭・石油ではCO2排出の問題が出てきます。ですので、こういう技術は日本だけでなく、むしろ東南アジアなどの新興国でより必要になるだろうと思っています。実は今、ある国である研究者の協力を得て会社を作ったところです。その先生の専門は水処理で、エネルギーとも非常に関連する分野ですので、非常にいい、地域にあったビジネス展開ができるのではないかと思っています。

当初は、そちらの方のビジネスを優先するつもりでいたのですが、大震災がありましたので、国内のエネルギー問題のほうが急務になっていますから、国内を優先していこうと考えています。今年1年は国内に集中して、来年ぐらいからは海外も強化したいと思っています。

(2012年2月13日インタビュー)