『新潟県佐渡市 トキ舞う加茂湖の水辺再生プロジェクト』佐渡島加茂湖水系再生研究所[新潟県]

'12 ライフスタイル部門 市民が創る環境のまち"元気大賞2012"  元気大賞受賞>

【概要】

豊かな加茂湖を再生したいという地元漁業者の想いから誕生した市民研究所。放鳥されたトキの生息域として注目される佐渡島加茂湖周辺地域、特に秋津地区にある「こごめのいり」をフィールドに、ヨシ原再生事業を展開するとともに、人びとが加茂湖への関心を高めるためのしかけづくり、水辺の維持管理のためのしくみづくり、環境資源裏活用の工夫、多様な主体の協働の推進、子どもたちの社会参画などを進めている。

【受賞者インタビュー】

受賞されたご感想をお聞かせください。

手探りで少しずつ進めてきた水辺の保全活動に対して、高い評価を頂いたことを嬉しく思います。受賞をきっかけに、佐渡島内の人々の関心を得ることもできました。元気大賞をはげみに、これからもより多くの人の協力を得ながら、日本をリードする水辺づくりを目指したいと思います。



受賞された地域活動を始められたきっかけを、お聞かせ下さい。

富栄養化が深刻な加茂湖では、主産業のカキ養殖が低迷しており、自分たちの手でできることから始めよう、民官学協働のしくみをつくり環境保全に取組むことにしました。かつて湖岸には豊かなヨシ原が広がっていたことから、まずヨシ原の再生を試みることとなりました。


 応募されたきっかけを、お聞かせ下さい。

「市民が創る」というキャッチフレーズにひかれて応募しました。私たちの活動の特徴は、多様な年齢や立場の人々が集まり、考えを共有しながらアクションにつなげていっていることです。元気大賞の目指すことと共鳴すると思い応募しました。
 

この活動で何か苦労している点がありましたらお聞かせ下さい。

現在は、加茂湖の「こごめのいり」という入江を重点的に保全していますが、湖全体の再生に繋げていくための方法を模索しています。技術的課題、資金的課題のみならず、流域住民の参画をどのように広げていくかが難しいところです。
 

環境活動によって地域を活性化していくときに、大事なことは何だとお考えですか。

視点の多様性です。様々な思いや問題意識を繋げる場をつくり、水辺再生に異なる視点からアプローチすることです。そのためにも私たちは「みんなが先生、みんなが生徒」をモットーに、お互いの知識と経験をリスペクトしながら、学び合う関係づくりに取組んでいます。
 

今後の展望をお聞かせ下さい。

ヨシ原を再生するには、ヨシを資源として利活用する方法を探ることが大切です。現在、ヨシの炭づくり、堆肥づくりを試みていますが、その他の可能性も考えていきたいです。また、湖との多様な関わり方を提案し、漁業者だけでなく、流域の人々の大切な地域資源として加茂湖を守り育てていくことができたらと思っています。

(2013年2月22日インタビュー)