<'12 ビジネス部門 環境ビジネスアワード 環境ビジネスアワード2012受賞>
【受賞者インタビュー】
環境ビジネスアワードを受賞された感想をお聞かせください。
この度、eco japan cup 2012環境ビジネスアワードに選んで頂き、ありがとうございました。1990年よりCO2回収技術の開発を関西電力㈱と開始し、1999年にマレーシアにCO2回収装置初号を納入して以来、常に世界の最先端を目指し、技術の開発・改良を進め、世界中にプラントを納入してまいりました。また最近では、世界のCO2回収・貯蓄プロジェクトへ参画しており、今回の受賞は、当社の製品・技術を通じた環境問題解決への取組みをご評価頂いたものと、大変光栄に思っております。関係者一同、今回の受賞を励みに、CO2回収装置のご提供を通じて、世界のCO2削減に貢献していきたいと思います。
御社の「CO2(二酸化炭素)回収装置」について改めてその特長と実績をお聞かせください。
当社のCO2回収装置では、関西電力㈱と共同開発した高性能なCO2回収液(KS-1TM)を用いてCO2を回収するKMCDR Process ®と呼ばれる化学吸収法を採用しています。これは他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少なく、優れた省エネルギー性能を発揮しています。納入実績としては、肥料などの化学製品の原料として、天然ガスや重油焚きボイラ排ガスからCO2を回収して製造ラインに供給するためのCO2回収装置を1999年の初号機納入以来、化学工場向け10基納めており、CO2回収装置の商用実績としては世界トップを誇っています。
また最近では米国アラバマ州バリー発電所で、石炭火力発電所排ガスからCO2回収・輸送・地下貯留を一貫して実施するプロジェクトとしては世界で初めてのCO2回収・貯留実証プロジェクトに、米国大手電力会社サザンカンパニーと共同で参加。当社が供給した5000トン/日のCO2回収能力を持つプラントは、順調に稼働を続けています。2012年8月からはCO2の地中貯留が始まり、排ガス中に煤塵などの不純物が多い石炭火力発電所を対象に、5000トン/日規模のCO2回収と貯留を一貫して行うのは世界初となります。
御社の環境問題に関する取組みを教えてください。
当社は事業活動を通じて、社会の発展に寄与することを第一義と考えています。企業が社会の一員であることを自覚し、社員一人一人が事業活動の全ての領域で、環境への負荷の低減に努めています。また、当社の総合技術力を結集して環境を保全する技術や製品を開発し、環境に配慮しながら限りある資源を有効活用できる製品を世界中に供給することにより、持続的発展が可能な社会の構築に貢献していきます。
受賞事業の今後の展開と抱負をお聞かせください。
現在トップシェアの化学製品製造用途のCO2回収装置に加え、CCS(CO2回収・貯留)プロジェクトやEORプロジェクト(CO2を油田に注入して原油増進回収を図るもの)へ積極的に参加し、さらに事業を発展させたいと考えています。そのために現在のポジションに甘えることなく、常に世界のリーディングカンパニーであり続けるよう、CO2回収技術の開発・改良に邁進していきます。
エネルギー・環境問題は、現在の世界が抱える様々な課題の中で、とりわけ重要だと認識しており、今後も国内外の市場動向、技術動向、温暖化対策の動向を注視し、世界的視野に立って、CO2回収装置をはじめとした環境に優しい製品・技術の提供を通じて、エネルギー・環境問題の解決に貢献していきたいと思います。
(2013年2月22日インタビュー)