『炭素繊維複合材料(CFRP)事業』 東レ株式会社

<'07 ビジネス部門 環境ビジネスアワード ハード部門受賞>

【概要】

重さは鉄の約1/4、強度は鉄の約10倍である炭素繊維は、軽量化を通じた燃料燃費改善とCO2削減効果が期待され、現在、航空宇宙分野、産業分野など、さまざまな形でその活用が注目されている。炭素繊維複合材料(CFRP)の研究・開発・製品化に長年取り組み、現在、世界最大メーカーである東レは、世界で初めて炭素繊維を使った自動車部品事業への本格参入を開始。今後さらなる需要拡大が期待される。

【受賞者コメント】

環境ビジネスアワードを受賞されたご感想をお聞かせください。

弊社の炭素繊維複合材料事業への取り組みが評価され、栄えある第1回目の環境ビジネスアワード賞を受賞させて頂いたことに対して、非常に喜ばしく思い、選考関係者方々へ感謝の意を表します。今回の弊社の受賞に関しては、役員含め社員一同非常に驚いています。
社内に於いて、その受賞理由を聞かれることも多かったのですが、弊社のCFRP事業が、事業拡大の側面で注目されはじめたことに加え、環境面で社外から評価されたことは初めてであり、今回の受賞で社会からの期待の大きさに触れ、事業の担当者をはじめ、社員一同に大きな刺激となりました。
今後も持続可能な社会の実現に向け、環境に配慮した弊社製品の提供を通じて、社会に貢献していきたいと考えます。


炭素繊維複合材料(CFRP)事業の、今後の事業展開をお聞かせください。

東レのCFRP事業は、航空機、自動車分野といった省燃費と環境対策が益々求められる分野において、部材の軽量化を通じた燃費改善とCO2削減で、地球規模での温室効果ガスの削減に貢献できると考えます。
現在需要が急拡大している航空機分野を主軸に、今後需要拡大が見込まれる自動車分野などの新規用途への展開により、CFRP事業のさらなる拡大をめざします。

受賞事業の他にも、環境への取り組みがありましたら教えてください。

全体的な取り組みとして、温暖化ガスの削減や化学物質管理に積極的に取り組んでおり、「事業拡大」と「地球環境への負荷低減」の両立をめざしています。
また、世界規模での「水資源問題」についても重要課題と認識し、弊社の水処理膜技術にて、用途に応じた様々な濾過膜を上市、事業化しています。例えば、優れたRO膜(逆浸透膜)の技術で、海水淡水化に関わるノウハウを蓄積しており、世界中の海淡処理プラントで採用されています。その結果、累積で200万立方メートル/日の海水の淡水化に貢献し、これは約800万人の生活水に相当する量になります。また、上水、下排水の再利用分野や工業用水分野にも、NF膜(ナノ濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)、UF膜(限外濾過膜)、MBR(MF膜利用の汚水処理装置)等を活用頂いています。
東レでは、リサイクル・省エネ・非石油化学系製品等、環境配慮型製品の拡大を狙った活動の総称として“エコドリーム”を掲げ、東レグループの総力を結集して取り組みを強化推進しています。詳しくは、弊社の【CSRレポート2007(
http://www.toray.co.jp/csr/index.html)】を参照頂ければと思います。