『Global ホタル通信』 木塚 あゆみ

<'07 カルチャー部門 エコデザイン 準グランプリ受賞>

【概要】

今そこにあるものと地球の繋がりを感じることによって、ecoに繋げる」をコンセプトに制作された『Globalホタル通信』は、地球を模したゴミ箱上部が、ゴミ箱内の重量の増加率によって色を変化させながら発光する。ゴミの存在を意識させ、資源やエネルギーを無駄遣いしない意思に結びつける。

【受賞者コメント】

『Global ホタル通信』の制作に取り組まれたきっかけをお聞かせください。

私は現在、『ホタル通信』という、人の呼吸を光で可視化することで、人の気持ちが伝わるようなコミュニケーションツールの研究を行っていることもあり、それをベースにして今回の『Global ホタル通信』の制作を考えました。
もともと私はecoに関心を持っていて、普段の生活の中ではマイ箸やマイバックを持ち歩き、できるだけゴミを出さないように心がけています。ですが一方 で、地球温暖化や異常気象などといったニュースが飛び交ってはいても、なかなか実感することができませんでした。そうしたことでecoに対して「自分には 何ができるんだろうか」と改めて考えた時に、日常の生活の中で、ゴミを出さないように語りかけてくるようなゴミ箱を作ろうと思いつきました。ゴミ箱は身近 なものですが、ゴミが多くなったら地球が悲しんでいるように見える。そんな人の感情に訴えかけるようなものを作ることで、そこから地球とのつながりを感 じ、ecoにつなげて考えられるようにしたいと思いました。

eco japan cup 2007への応募動機をお聞かせください。

eco について普段から関心を持っていたわりに、これまで研究してきた『ホタル通信』というものとecoとは別物のような感覚を持っていたのですが、eco japan cup 2007で作品を募集しているということを知り、これを機会に自分が創るものとecoをつなげてみようか、と考えたことがきっかけとなりました。

「eco」に対するクリエイティブ力の可能性は、どのようなところにあるとお考えでしょうか。

クリエイティブな力によって創造された作品には、言葉で説得するものとは違い、感性という人間の根本的な部分に直接働きかける力があると思います。そして、 その力はとてつもない影響力を持っています。ですから、人から「ゴミを減らせ」と言われるよりも、自分で「ゴミを減らしたほうがいい」と感じさせることが 大切ではないかと思います。そうした意味で、デザインやアートを通して頭で考えるのではなくて、感覚的なものに訴えかけて感じさせることで、もっと良い効 果が生まれるのではないかと思います。
自分自身、実際に今回の『Global ホタル通信』の制作を通して、ecoとの架け橋となるような作品を創ることができるのではないか、と思えるようになりました。

今後、創作活動をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。

自分の作品が賞をいただけるとはまったく思っていませんでしたが、今回、こうした賞をいただけたということは、自分の作品はなんらかの価値があるものだ、と いうことを評価していただいた結果だと思います。まだ先のことは漠然としていますが、自分の活動について少し自信を持てるようになりました。
今後、ecoと直結した作品を作り続けていけるかどうかはまだわかりませんが、少なくても、なにか人に影響を与えられるような方向に進んで行けたら、と考えているところです。