『LOHASビジネスのコミュニティ LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)』 LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)

<'07 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 環境ビジネスウィメン受賞>

【概要】

『LOHASビジネスのコミュニティ LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)』
LOHAS の価値観に基づくビジネスを促進し、LOHAS事業の創造・発展を通じ、持続可能な社会への貢献を目的とした会員組織として2007年7月に設立。セミナーや交流会、プロジェクトを通して、知識・スキルを共有するとともに、ビジネスアイデアを具体化するプラットフォームとして活動。また、啓発活動を通じてLOHASビジネスの輪を広げるとともに、LOHASの価値観を持った生活者の増加と企業のLOHAS化を促進する。


【受賞者コメント】

LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)の事業化に取り組まれたきっかけをお聞かせください。

LOHAS という新しいコンセプトは、アメリカのコロラド州ボールダーで1990年代の後半に生まれました。オーガニック農産物に関わる生産者、加工・流通事業者ら がオーガニック市場を拡大し、社会を変革していこうという始めたムーブメントに端を発しています。LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)は、意訳すれば、心と身体、社会や地球の健康を大切にし、持続可能な社会の実現を願う新しい価値観であり、ライフスタイルです。
2002年9月にLBA共同代表である私(LBA共同代表・大和田順子)が、日経新聞に寄稿した記事がLOHAS(以下ロハスと表記)を日本で最初に紹介した記事と言われています。その後、雑誌「ソトコト」での特集や2005年春のイースクエアの調査、日経流通新聞での特集を通じて紹介され、多くの企業の関心を集めるとともに、生活者の共感を呼びました。昨2006年11月の調査(※インテージ調べ)では、ロハスという言葉の認知度は7割を超え、その意味 を理解している人も4割に達しています。そして、その価値観に共感し、ロハス的な商品やサービスを選ぶロハス層は日本で4人に一人になっています。(※ イースクエア2007年調査)
日本でロハスという言葉が一般に普及して約2年が経過し、流行から定着へ移行しつつある今こそ、“ロハス層の生活をサポートする本物のロハス製品やサービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現をめざす”という新しい発想でのビジネスへの取り組みが求められています。
企業サイドでも、ロハス的価値観に基づき収益性と社会性との両立を目指す事業を行いたいというニーズが高まってきましたが、そうした考え方・ノウハウを共有する場がありませんでした。
なお、共同代表である井手敏和さんは、2005年夏に『いきいきロハスライフ』(ゴマブックス)という本を出版されました。ご自身の米国西海岸での14年にわたる生活体験をふまえた、ロハスなライフスタイルの実践を勧める内容です。
一方、私は、2006年1月、NPOローハスクラブの方々と『日本をロハスに変える30の方法』(講談社)を出版しました。そして、2006年4月に開かれた第10回ロハス会議に井手さんや、国内のロハス企業の経営者の皆さんと参加し、今後日本にもロハスの考え方を広める場を作りたい、と話すようになりました。
こうした経緯を経て、ロハスビジネス関係者が集い、ビジネスアライアンスを促進し、企業のロハス化を促進する仕組みが必要であると考え、LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)という組織を2007年7月17日に発足させました。


eco japan cup 2007への応募動機をお聞かせください。

eco japan cup 2007に応募した動機は、eco japan cup主催団体様やご関係の皆さまのネットワークを通じてLBAの認知を高めたいと考えたからです。発足間もないこともあり、知名度はまだまだ高くはありません。ロハスをビジネスに活用したい、事業の収益性と社会性を両立させたいが、その方法がわからないという企業はたくさんあるはずです。そうした、ニー ズを持っている企業の経営者の方や起業をお考えの方に、LBAの存在をお伝えしたいと願っています。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

LBA はロハスビジネスのコミュニティであり、さまざまな取り組みのプラットフォームであると考えています。すでに、84(43の法人会員、および41の個人会員。2007年11月末現在)の皆様にご参加いただき、隔月で定期セミナーを開催してまいりましたが、以下の2つの取り組みの可能性を考えています。
◇ ビジネスアライアンスの促進
昨年12月の定期セミナーで実施した会員企業5社によるビジネスプレゼンテーションは、各社の事業を紹介し、会員企業相互のビジネスアライアンスのきっかけづくりをしたいと実施したものです。また、会員企業同士によるビジネスアライアンスの最初の事例として、クリック募金「イーココロ!」を運営するユナイテッドピープル様と、自然素材リフォームのオクタ様が、2007年12月13〜「カーボンオフセットクリック募金」を開始されました。
◇ 社会変革のための共同キャンペーン
温暖化の抑制は共通の緊急課題です。こうした社会・環境問題の改善に、LBAとしてキャンペーンを展開していきたいと考えています。会員企業そして、そのステークホルダーの皆様と一緒に活動できれば一定の規模のキャンペーンが展開できると思います。


今後、受賞事業をどのように発展させていこうとお考えでしょうか。

LBA の会員企業など、国内でもロハスビジネスを実践し、素晴らしい業績を上げている会社はたくさんあります。そうした企業の事例を中心に、ロハスとは何か、ロハス層の実像、そしてロハスビジネス成功の秘訣や5つの黄金ルール、さらに、地域活性化にもロハスの視点は大いに活用できるといった内容を書籍にまとめました。『ロハスビジネス』(朝日新書 2008年2月13日出版)(執筆者:大和田順子/水津陽子)です。こうした書籍やセミナーを通じて、日本全国の企業の方々に、「事業を通じて社会問題を改善し、収益性と社会性を両立する」という21世紀型の企業のあり方についてお伝えすると共に、LBAにご参加いただき、ビジネスアライアンスの促進や、社会変革キャンペーンなどご一緒に活動してまいりたいと考えています。