『知覚コンセント』 湊雄一郎/雨宮聡

<'08 カルチャー部門 エコデザイン グランプリ受賞>

【概要】

水も電気もガスも安定供給されている現在、生活の中で地球の資源が減っていることを実感する機会が乏しい。ecoの必要性を気づかせるために、毎日の生活の中でecoを実感することが重要というコンセプトから、スイッチやコンセントを見ただけで、その日の電気使用量がわかるようなデザインを発案。コンセント内部に採り入れたLEDが、電気の使用量によって色を変化させて発光することで、電気使用量を認識させ、ecoに対する意識付けにつなげていく。

【受賞者コメント】


受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

近年の科学技術の発展は、様々な分野で変化をもたらしてきました。
しかし全てが環境や人々に良いものとは言えません。
最近注目されている電気自動車は排気ガスは出しませんが、電気は消費します。
また電動車イスのような座るだけで移動できる乗り物は、人々を運動不足にさせます。
このような技術の進歩にも欠点があるということを伝えたいと思い、この作品を考えました。

今後のエコデザインの可能性についてお考えをお聞かせください。

自動車会社に働いている身として、今後の自動車は有害な物質を排出しないことはもちろん、走れば走るほど環境が良くなるような乗り物を考えていかなければならないと思います。

今回の受賞を契機に、今後の製作受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

毎日の生活の中で、そのことを実感しながら使用することは極めて稀なこと。スイッチを付けたり、蛇口をひねれば、水も電気もガスも安定供給されるからである。資源が減っているということを実感する機会が乏しく、そのため、日々の生活の中でどれだけの資源を使っているかを知っている人は、極めて少ない。だから、毎日の生活の中で、そのことを気づく機会を持つことができないかと考えた。限られた資源の中で生活していくには、自分が必要とするエネルギーの全体量を見極めることが必要である。この作品はスイッチやコンセントを見ただけで、自分がその日に使った電気量の目安がわかるような仕組みになっている。時間が早いのに、すでに黄色や赤色に点灯していれば、それまでに電気を使いすぎていたことを知ることが出来て、その時から、電気の使用を抑えることで、エコにつながると考える。

今後のエコデザインの可能性についてお考えをお聞かせください。

人々に訴えかけるデザインによって、エコに生きていく必要性を気づかせる。 気付きをデザインできるのが、クリエイティブの力だと考える。 身近なものを、少し違う角度から眺めることで、新しいデザインが広がると考える。
今回のイベントで様々な人々のアイディアや思いを知ることができたので、今後それらを生かせるような、またよりハイレベルなものを製作したいと思います。