『SCRAP PATTERN』 田中 明

<'08 カルチャー部門 エコアート 審査員応援賞受賞>

【概要】

実物の影を直接印画紙に焼き付ける「フォトグラム」という技法で創作した写真作品。日々大量に消費され、棄てられていく身近なゴミたちへ、感謝や愛着の一方で、捨ててしまうことへの罪悪感を抱くという矛盾をテーマにしている。

【受賞者コメント】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

フォトグラムは実物の影を写すので、必然的に手に入るものでなければならなく、自然に身近にあるゴミへと目を向けました。特に環境問題を意識した訳ではなく、むしろモノとしての造形に魅力を感じたからです。その美しさと、そして愛おしさとともに、それらが当たり前に捨てられてしまう事に対して罪悪感も感じました。それらを捧げる様な気持ちで、イメージとして残る写真にしました。

今後のエコアートの可能性についてお聞かせください。

エコアートという言葉にはまだ違和感がありますが、少しの視点の違いで人の認識は大きく変わるものだと思いますので、写真やアートというのは、そういった意味で社会やエコにも大きく役割を果たせると思っています。
また、消費する事ではなく、付加価値で経済を生み出す事は環境ビジネスにもつながる事ではないかと思います。


今後の作品づくりについての展開をお聞かせください。

より環境問題について知らなければならないと考えています。
経済や社会という複雑な循環の中で難しさを感じますが、現代を生きている者として、生活や表現活動においてより一層の意識・関心を持っていきたいと思っています。