『飼料添加物「カルスポリン」』 カルピス株式会社/味の素株式会社

<'10 ビジネス部門 環境ビジネスアワード 環境ビジネスアワード2010受賞>

【概要】

 「カルスポリン」は枯草菌を有効成分とする飼料添加物です。鶏や豚などの家畜の飼料に微量混ぜて与えることで、腸内の乳酸菌やビフィズス菌を増やし、腸内菌叢をサポートします。その結果として、家畜の体重増加や飼料効率の向上に貢献します。カルピス株式会社は長年に渡り、乳酸菌などの有用微生物や腸内菌の研究を続けてきました。腸内環境が整い乳酸菌などの良い働きをする微生物が多いと、人は病気にかかりにくく健康でいられるといわれます。その技術の家畜への応用として1986年に「カルスポリン」は発売され、現在では国内はもとより米国、メキシコ、ペルー、ブラジル、EU各国、韓国、中国、台湾、タイ、マレーシアで主に鶏・豚向けに使用されています。また、世界中の家畜に使用されることによって、飼料向け穀物(大豆、トウモロコシ、小麦など)が年間約50万t削減されることになり、環境負荷の低減に役立っています。これはほぼ東京都と同じ広さで収穫される穀物量に相当します。

【受賞者コメント】

環境ビジネスアワード受賞の感想

 このたび、栄誉あるeco japan cup 2010環境ビジネスアワードを頂き、ありがとうございます。私たちどもの仕事は、畜産分野で家畜を腸内からより健康にしてゆくこと、そしてより安全でよりおいしい食肉の生産に役立てることです。これは世界的に人口が増加していくなかで、食料として重要な動物性蛋白質を効率的に生産することにつながります。今回、環境への貢献という視点から光をあてていただき、今後事業を強化し継続して行く上で大変光栄で励みになります。

受賞事業の今後の展開と抱負

 飼料添加物「カルスポリン」事業の国内外への展開にますます力をいれて参ります。東アジア・東南アジア、南米・中米・北米、欧州など、地域により文化の相違はありますが、家畜による安定的な食料供給は世界中の人々の豊かな生活にとって基本的に重要です。畜種においても、鶏、卵、豚、牛、そして魚などへ広く拡大していく可能性があり、今後さらに技術を深め、環境にやさしい循環型の事業を実践して、持続可能な社会の実現に貢献していく所在です。

環境の取り組み

 味の素グループでは、「私たちは地球的な視野に立ち、“食”と“健康”そして、“いのち”のために働き、明日のよりよい生活に貢献します。」という理念を掲げて取り組んでいます。具体的にカルピス社では「自然がもたらす穏やかな地球環境を尊び、地球と共生する」ことを理念として、ISOの取得拡大等の“組織運営での環境経営”、味の素グループゼロエミッションによるCO2や水使用量削減等の“排出物の削減等の取り組み”、そしてエコプロダクト展参加による“社会とのコミュニケーション”を進めていきます。