『神山スダチ音頭』BonDance/KAMIYAMA-SUDACHI-ONDO 山中カメラ

'11 カルチャー部門 エコアート グランプリ受賞

【概要】

徳島県神山町に2ヶ月間滞在し地域の人々と協力しながら音頭を製作、「盆踊り大会」を開催したプロジェクト。「現代音頭作曲家」として、その土地の事、伝統的な芸能や音楽を勉強し、その上で土地の人々と共に新しい音頭を創り上げていく活動を実施。音頭の多くが、継続して夏祭りで踊り続けられている。地域の皆が輪になって踊ることで和が生まれ、また、音頭を通してその土地ならではの地域性や素晴らしさを表現、発信できる。

【受賞コメント】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

前々から盆踊りを作っておりまして、受賞した作品は2009年のものです。これは、徳島県の神山町が作りたいということでコミュニケーションのできる作家を探していたそうで、選ばれて作ることになりました。

受賞された感想をお聞かせください。

今まで一定の信念をもって活動してきましたが、アートと盆踊りはなかなか結びつけられにくくて、アート界からはアートじゃないんじゃないかと言われたりする状況もあったんです。こんなに素晴らしい賞をいただいて、光栄に思いますし、大変自信につながりました。

地域に溶け込んで盆踊りを作っていくのは大変な作業だと思いますが、コツはありますか?

押し付けになってはダメだなと思っています。いきなりどこかからよそ者が来て、この町の盆踊りを新しく作ってやる、みたいな態度だったら本当に嫌だと思います。だから、協力してくださいという心構えで、お願いするというか、一緒に作っていきましょうという姿勢です。今回の受賞にしても僕だけ名前が出ていますが、町全体で賞をいただいた感じがしています。

でも、よそ者のほうが、「当たり前」と思っている地域の方よりも、地域の良いものが目につきやすいので、そういうのを発見して、協力して発信するということが今後もできるといいなと思っています。

エコアートに関して何かお考えなどがあれば、お聞かせください。

地方でもアートプロジェクトが多いのですが、有名な作品を海外から買ってきてポンと置くというような、街の人がわからないし参加できないことがあったりします。それでは、アートの価値観を押し付けているような気がします。そうではなく、地域にもともとある良いものを活かして、価値観を発見して、それを発信できるような構造ができるといいなと思っています。

今後の創作活動をどのように展開していきたいとお考えですか?

最初は、本当に手探りだったんですが、いろいろ作るうちに、地域のこういうところが素晴らしいという発見が僕なりの視点でできるようになってきましたので、これからもっともっと地域を、巻き込むというと語弊がありますが、協力していただいて、関わった方皆さんが幸せな気持ちになれるようなものを作っていきたいと思います。

(2011年2月13日インタビュー)