『オチバナ』 サカガワ リエ

<'07 カルチャー部門 エコアート 準グランプリ受賞>

【概要】

作品には、散った花びら、木から落ちた実、枯れた草、折れた幹などだけを使用し、草木のいのちを摘むことは一切しない。完成後、作品は写真に撮って残し、素材はすべて土に返すなど、「いのちのリサイクル」を実践。

【受賞者コメント】

『オチバナ』の制作に取り組まれたきっかけをお聞かせください。

2年ほど前の春、公園の花壇に散っている花びらを見て、とても美しいと思いました。
額に入れて飾りたいと思うくらい美しかった。
それを見て「このまま土に返すのはもったいない!」「この散った花びらの美しさを他の人にも伝えたい!」と思ったのが『オチバナ』をはじめるきっかけです。
散ってしまった花びらを拾ってみると、チカラ強く、色鮮やかで、まだまだ十分に生命力にあふれていて、これで何かを作って最後の一花を咲かせたいと思ったんです。
「オチバナ」の素材は、すべて散った花びらや枯れた草、落下した木の実。いのちを摘むことは一切しません。そして、遊び終わったらすべてを土に返す、いのちのリサイクル。ですから、ゴミも一切でない遊びなんです。


eco japan cup 2007への応募動機をお聞かせください。

知人からeco japan cup 2007のことを教えてもらい、実際にeco japan cupのホームページを見て、『オチバナ』の考え方にとても合っているコンペだと思ったので応募しました。

「eco」に対するクリエイティブ力の可能性は、どのようなところにあるとお考えでしょうか。

アートは楽しむもの。アートの力で「eco」するということは、楽しみながら何かを大切にする気持ちや、愛おしむ気持ちを育むということだと思います。大切なのは、楽しみながら、ということ。それができるのが、アートの力で「eco」するということだと考えます。
それから、「eco」という言葉に強制を感じたくないと思っています。毎日を少し丁寧に暮らしてみたり、愛おしんでみたら、人それぞれの「eco」が生まれていて、生活に馴染んでいた、となればいいなと思います。


今後、創作活動をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。

受賞後、東京ビックサイトで開催された「エコプロダクツ2007」で、3日間を通して4回のワークショップを行うことができました。たくさんの子どもたちと 一緒に『オチバナ』で遊んでいると、個人としてもっと多くの花びらを拾って作品を作ることはもちろん、今回のように子どもたちと一緒に花びらを探して、 拾って、作るというワークショップを積極的に行いたいと思いました。
散った花びらを探して拾うことで、自然を愛でることを知り、自然と遊ぶ機会を『オチバナ』を通して作れるといいな、と思いました。