『耕作放棄地を減らして環境理解の場「体験農園マイファーム」へ!』 株式会社マイファーム

<'09 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 大賞受賞>

【概要】

現在、農業従事者の高齢化と後継者不足に伴い、耕作を放棄された農地「耕作放棄地」が日本全体で約40万ヘクタールも存在すると言われ、年々増加の一途を辿っている。一度開墾された農地は簡単には自然に還らず、荒廃した農地は地域の景観を損なうだけでなく、害虫の温床や産業廃棄物の投棄場所となるなど、地域全体の環境にも悪影響を与えている。
一方で、食に対する不安やスローライフ志向などを背景に、消費者の食への安心・安全や自給自足生活への興味から農業への関心が高まりをみせているが、実際に農業に触れられる機会は少ない。
こうした状況を踏まえ、耕作放棄地を農地として再生し、就農希望者に農業の知識・技術を伝える場所として、あるいは消費者に農業を楽しんで学んでもらう場所として活用する管理人付き体験農園「マイファーム」を考案。現在、全国36農園を運営している。
「マイファーム」では、リメイクした農園を一般消費者が利用する「農園利用方式」を採用し、利用者に対する農業の指導や作物の管理を代行している。また、定期イベントや収穫作物の買い取りなどを実施するほか、食の安全を確かなものとするため「無農薬」「無汚染」を掲げ、立命館大学との産学連携によって「土壌調査診断」を実施している。
今後は、「生産する農業」のトレーニングを通して耕作放棄地解消人となる就農希望者の育成を図るとともに、作物の販路保証や農地提供など、サポート体制の充実化を目指す。

【受賞者コメント】

環境ビジネス・ベンチャーオープンを受賞された感想をお聞かせください。

今回の受賞を頂いたことは、日本の耕作放棄地問題が農業界のみの問題ではなく環境的側面からも問題であると認識され、その減少活動に対して評価して頂いたものであり、農業が環境の分野においても重要なものであると認められたのではないかと私自身は認識しており、大変光栄に思っております。マイファームのこの活動が全国に波及することにより、新たな視点で自分たちの身近なところにある「環境問題」を自分たちの手で解決していくことにつながるのではないかと期待しております。また私たちの活動には、大きな投資も技術も必要なものではなく、地域の人たちとの連携を行い、手作業でコツコツと行っていく部分が多く、誰でもできる活動ですので、ぜひとも各地でこのような活動をしていただきたいと思います。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

現在の私たちの耕作放棄地解決方法として成功(成功の定義は事業化でき、持続させられるか)しているところは、都市部の虫食いになった耕作放棄地のみですが、今後は、より深刻な地方の耕作放棄地問題にも新たなビジネススキームを発案して日本の豊かな自然環境を生かした活動を行っていきたいと思っております。

今後の受賞事業の展望をお聞かせください。

今後の体験農園マイファームの展望としては、より多くの人に私たちの活動を知ってもらい、協力をしていただきたいので各農園(新しくできるところも含む)で現在よりももっと「教育」という部分に力を入れて改良をしていこうと思っています。お客様は応援者だと考えておりますのでその方々に対して、環境・農業の両側面の私塾のような形にしていき、その輪を広げて個人一人ひとりがもっと農業・環境に対して、現場から学ぶようになっていけば、日本の未来は明るいのではないでしょうか?