『新規微細藻類による二酸化炭素吸収、バイオマス固形燃料発電事業』 株式会社日本バイオマス研究所

<'09 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 敢闘賞受賞>

【概要】

火力発電、原子力発電をはじめ、日本はエネルギー源の大部分を海外からの燃料輸入に依存している。また、日本国内の電力会社10社による2008年度の二酸化炭素排出量の合計は39,500万トンで、排出枠を購入して6,400万トンを相殺している。
「新規微細藻類による二酸化炭素吸収、バイオマス固形燃料発電事業」では、二酸化炭素吸収能力が高く、糖類を代謝する新規微細藻類を培養・乾燥させて高熱量固形燃料を製造する技術を開発。火力発電所から排出される二酸化炭素を新規微細藻類で吸収し、生成した藻類から高熱量固形バイオマスを製造。それをバイオマス発電所に利用することで、発電所から発生する二酸化炭素の削減を実現している。
現在、大規模な二酸化炭素削減方法として注目されている二酸化炭素地中貯留は設置箇所が限定されることに加え、付加価値がない。二酸化炭素排出枠の購入も、途上国での排出需要が増えているため、将来的に取引価格の高騰が危惧されている。
こうした現状に対して、藻類バイオマス発電所は、設置場所を選ばず二酸化炭素排出量を削減することができるうえ、海外からの燃料輸入を必要とせず、自国内でのエネルギー生産を可能とする技術であり、エネルギー自給率の向上とともに低炭素化社会の実現に寄与することが期待されている。

【受賞者コメント】

環境ビジネス・ベンチャーオープンを受賞された感想をお聞かせください。

今回の受賞とエコプロダクツ展での展示を通じ、弊社事業への人々の反応の大きさに驚きました。環境ビジネスへの社会の期待の大きさと責任を実感しております。今後も事業が継続的に発展できるよう全力を尽くす所存です。この度はこのような大きなプレゼンテーションの機会を頂き、誠にありがとうございました。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

地域自治体や各種企業から問い合わせも多く頂いております。今後は事業実現に向けてNEDOイノベーション推進事業として来年度も引き続き実証試験を行い、事業化に向けた各種課題を解決していく予定です。

今後の受賞事業の展望をお聞かせください。

今回の受賞事業であるバイオマス固形燃料発電事業の実証試験を進め、高付加価値製品の製造が可能という弊社所有の新規微細藻類の特性を活かして、事業の実現を目指します。