『NAS 電池事業』 日本ガイシ株式会社

<'09 ビジネス部門 環境ビジネスアワード受賞>

 【概要】

「電力は貯められない」という従来の常識を覆し、大容量の電力貯蔵を実現したNAS(ナトリウム硫黄)電池。高出力・大容量(数百メガワット、6時間以上)、高エネルギー密度(鉛蓄電池の約3倍)、高速応答性(2ミリ秒)などの特長があります。
1984年から東京電力と共同で開発に取り組み、独自の高度なセラミック技術を駆使して世界で初めて実用化に成功。2003年から量産を開始し、これまでの納入実績は国内外で200カ所以上、累計出力で300メガワットを超えています。
そのアプリケーションは電力需要家での負荷平準によるエネルギーコストの削減に始まり、風力・太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力安定化、電力負荷の平準化による発電所の運転効率化などに拡大し、CO2排出抑制による地球温暖化防止に貢献しています。
いま話題の「スマートグリッド(次世代送電網)」の構築にも不可欠な技術とされ、世界中から注目を集めています。

【受賞者コメント】

環境ビジネスアワードを受賞された感想をお聞かせください。

このたびは「環境ビジネスアワード」に選んでいただき、誠にありがとうございます。「電力は貯められない」という従来の常識を覆し、大容量の電力貯蔵を実現したNAS電池は、大容量蓄電池として1984年から東京電力と共同で開発に取り組み、当社が永年培ってきたセラミックスの材料技術と製造技術を駆使して、世界で初めて実用化に成功したものです。今回の受賞を励みにして、さらに高度な技術開発とモノづくりにチャレンジし、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。

受賞事業の今後の展開と抱負をお聞かせください。

NAS電池事業は近年、まさに「環境ビジネス」として急成長しています。これまで天候任せであった風力発電や太陽光発電などの不安定な電源にNAS電池を組み合わせることで安定化させることができるため、再生可能エネルギーの導入拡大に貢献する技術として世界中から注目されています。いま話題の次世代送電網「スマートグリッド」の構築にも不可欠な技術とされており、NAS電池で電力設備の効率的な運用を支えることによりCO2の排出を抑制し、地球温暖化の防止に貢献できるものと考えています。

御社の環境問題に関する取り組みを教えてください。

当社は「より良い社会環境に資する商品を提供し、新しい価値を創造する」との企業理念を掲げ、「次世代の快適環境をつくる『トリプルE』(エコロジー、エレクトロニクス、エネルギー)の事業領域を通じて地球環境問題に貢献していく」ことを環境基本理念としています。この方針のもと、事業活動に伴う環境負荷の低減を図るとともに、独自の高度なセラミック技術をコアテクノロジーとした環境保全に資する製品や技術の開発を通じて、地球環境問題への積極的な貢献をめざしています。