『地熱バイナリー発電』 九州電力株式会社

<'09 ビジネス部門 環境ビジネスアワード受賞>  

【概要】

九州は地熱資源に恵まれており、国内最大規模の八丁原発電所(110MW)をはじめ、九州電力株式会社の地熱発電設備容量は約210MWと全国の地熱発電設備容量の約2割を占めています。
2006年4月には、八丁原発電所構内において、地熱バイナリー発電方式としては国内初となる八丁原バイナリー発電所(2MW)の営業運転を開始しました。「地熱バイナリー発電」とは、従来の発電方式では利用できなかった低温の地熱エネルギーを、低沸点媒体との熱交換で回収し、得られた低沸点媒体蒸気により発電する方式です。本方式の普及によって、貴重な純国産エネルギーである地熱をより有効に活用できると考えています。
地熱発電は、他の再生可能エネルギーに比べ、年間・昼夜を通じて安定した電気を供給できます。
今後も引き続き、地熱資源の有望地点における現地状況など新たな開発に向けた調査・情報収集を行ってまいります。

【受賞者コメント】

環境ビジネスアワードを受賞された感想をお聞かせください。

当社における地熱開発の歴史は、貴重な純国産エネルギーの有効活用と電源多様化の一端を担うローカルエネルギーとして、1949年から大岳、八丁原地域の開発研究に着手したのが始まりです。受賞対象となった「地熱バイナリー発電」は、地熱エネルギーの更なる有効活用を図るために、2006年に国内で最初に導入したものです。
このたびの「環境ビジネスアワード」受賞は、当社の地熱開発を通じた地球温暖化への取り組みを評価いただいたものと、大変光栄に思っております。

受賞事業の今後の展開と抱負をお聞かせください。

地熱バイナリー発電により、従来の発電方式では利用できなかった低温の地熱エネルギー(未利用の温泉熱を含む)の活用が可能となり、地域の再生可能エネルギー開発の幅が広がります。
当社としましては、地熱バイナリー発電の適用も含め、地熱資源の有望地点における現地状況など新たな開発に向けた調査・情報収集を行ってまいります。

御社の環境問題に関する取り組みを教えてください。

当社は、持続可能な社会の実現を目指して、グローバルな視点で、地球環境保全と地域環境との共生に向けた取組みを、九州電力グループ一体となって展開しています。
具体的には、『九州電力グループ環境憲章』のもと、毎年『環境アクションプラン』を策定し、「地球環境問題への取組み」、「循環型社会形成への取組み」、「地域環境との共生」、「社会との協調」、「環境管理の推進」という5つの柱に基づく環境活動を実施しています。
特に、「地球環境問題への取組み」については、電気の供給面において、供給の安定性、環境特性、経済性に優れた原子力の推進や再生可能エネルギーの積極的な開発・導入を進めています。
また、電気の使用面においても、お客さまにムリなくムダなく電気を上手に使っていただき、快適で環境にやさしい生活をお送りいただく「省エネ快適ライフ」を推進するなど、お客さまへの省エネサポートを通してCO2排出抑制対策に積極的に取組んでいます。

詳しくは、こちら(注)をご参照下さい。(注)http://www.kyuden.co.jp/environment_index.html