『えんジョイ!』 渡邊 宇顕

<'09 カルチャー部門 エコデザイン 審査員応援賞受賞>

【概要】

「えんジョイ!」は、何通りもの形が子どもの手によって創り出される、玩具のような鉛筆立て。室内で散らかした鉛筆を、楽しく片付けられる。バナナ生産国で年間10億トンも大量破棄されているバナナの茎から抽出されるバナナ繊維を活用することで、子ども達にecoを根付かせるとともに、バナナ原産国の雇用促進にも繋がる可能性を持った作品。

【受賞者コメント】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

バナナ繊維を知った事がきっかけである。
素材のバナナ繊維は、バナナ生産国で年間10億トンも大量破棄されているバナナの茎全てから抽出できる。うまく利用すれば、大規模なエコ、サステナブルプロジェクトに繋がる。そのバナナ繊維でつくられた、アイデアで終わらない現実的に大量生産可能なプロダクトを制作すれば、もっと生活の中にオーガニックが増えるし、バナナ茎の大量破棄やそれが大規模なエコに繋がるという実態を人々に伝える事ができると考えた。

今後のエコデザインの可能性についてお聞かせください。

おもしろいアイデアはいくらでもでる。しかしその多くは実現したときに本当にエコになっているか疑問に思う。だが、世界的に見ても未来的に見ても素晴らしいエコデザインは、大げさじゃなく世界を救うと私は考えている。
世の中全てのデザインに「エコ」の概念がある未来を待ち望んでいます。

受賞の感想をお聞かせください。

大変嬉しく思っております。ありがとうございます。
古い作品の受賞でしたため、自分のデザインに対する考えが間違いでなかったと思うことができました。この喜びをこれからの制作の励みにしたいと考えます。

今後の作品づくりについての展開をお聞かせください。

多摩美術大学で行っているバナナテキスタイルプロジェクトは、たくさんの生徒がバナナ繊維を活かした作品を制作しています。毎年ワークショップや展示を行い世間にも浸透してきました。これからも沢山のデザインを提案し、日本とバナナ原産国を結ぶ素晴らしいエコプロジェクトとして活動していきます。