『ブルキナファソにおける住民森林管理グループ生産のシアバター使用石鹸販売事業』 株式会社ア・ダンセ

<'09 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 環境ビジネスウィメン賞受賞>

 【概要】

世界最貧国のひとつであるとともに、深刻な砂漠化と著しい森林消失が進む西アフリカ・ブルキナファソにおいて、HIV/AIDSや貧困に苦しむ女性たちを支援する現地AIDS対策市民組織の石鹸研修所と協力。当該石鹸研修所にて、JICA住民参加型持続的森林管理プロジェクトが支援する住民森林管理組織が生産するシアバターを原料とした石鹸事業を開始した。
日本の老舗石鹸製造所「丸菱石鹸」の技術協力と検査体制を提供することでものづくり技術を支援するとともに、販路開拓をサポート。一過性になりがちな慈善事業としてではなく、持続的な収益事業として成長させることで、森林保全、AIDS対策、貧困削減などの問題に対して、安定して貢献できる事業となることに期待が寄せられている。

【受賞者コメント】

環境ビジネス・ベンチャーオープンを受賞された感想をお聞かせください。

審査過程で、様々なプロフェッショナルの方々から具体的で現実的なアドバイスを頂けたことは、本格的に販売に踏み出す前の弊社にとって、とても有意義でした。また、今回の受賞を今までご協力頂いた多くの方々が非常に喜んでくださり、事業推進に向けて更なる力が生まれたことは、望外の喜びです。eco japan cupでの受賞には、関係者の皆様とのご縁を含め、見えない“副賞”がとても大きいことを実感する日々です。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

環境問題のようなグローバルなイシューは、違う国で表出する出来事を、日本の日常生活の中で自らの問題として捉えることがなかなか難しいように思います。日本からは地理的にも心理的にも遠いアフリカという場所ですが、製品とそのストーリーを通して日本の皆様にも身近な存在に感じて頂くことで、気候変動や砂漠化など、アフリカで大きな影響が出ている問題にも関心と関わりを持って頂ける機会になる可能性があると思います。また、日本とブルキナファソの様々なセクターが協力する本事業では、ビジネスという要素を加えたことで、現地での森林保全や貧困削減事業の持続可能性を高める好事例となることが期待できます。

今後の受賞事業の展望をお聞かせください。

展開初期はアイテム数が少ないのですが、固形石けん以外のシアバター製品の開発や、シアバター以外の非木材林産物製品の開発などにも取り組んでおり、現地の状態を見ながら徐々に拡大してゆきます。販売先も日本に限らず、地理的にもアフリカに近いヨーロッパでの販売も視野に入れています。また、関係者の専門性を生かしたシアバターの総合情報サイトを作り、日本でのシアバターの更なる普及に努めてゆきたいと考えています。将来的には、現地で植林プロジェクトや識字教育などを実施し、日本のお客様と現地の人々を有機的に結ぶ仕組みを構築するのが夢です。