『世界初!高効率・低コストの波力発電システム「人工筋肉波力発電」』 株式会社HYPER DRIVE

<'09 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 技術審査員(GE)特別賞受賞>

【概要】

欧米を中心に、海洋エネルギーを利用した波力発電システムが注目されているが、現在の発電システムは効率が悪いうえ、建設やメンテナンスにコストがかかるため実用化には至っていない。これに対し、「人工筋肉」と呼ばれるゴム状の素材を利用し、波のようなゆっくりとした運動からダイレクトに電気エネルギーを取り出す「EPAM(人工筋肉)波力発電機」を開発。
高効率・低コストの発電システムを実現した。これまで電力ニーズがあったものの設置が難しかった水産養殖用途等に対する小型発電システムを展開することも可能となった。さらに大型発電システムへの活用も視野に入れ、波力発電市場におけるスタンダード技術として世界的に認知されることを目指している。

【受賞者コメント】

環境ビジネス・ベンチャーオープンを受賞された感想をお聞かせください。

この度は「eco japan cup 2009技術審査員(GE)特別賞」をいただき誠に光栄に存じます。「技術による未来の創造」を目標に掲げ、オープンイノベーションを実践していらっしゃるGE社様にご評価頂きましたことは、今後弊社が世界展開をするうえで、非常に大きな自信となりました。また、この受賞は、弊社の新しいチャレンジと、「先端技術で社会に貢献する」という企業理念にご賛同いただきました、関係者の皆様の多大なるご支援とご協力の賜物でございます。現在、世界的な環境問題の高まりと、再生エネルギー導入の必要性が叫ばれており、弊社が担う役割も非常に重要なものであると認識しております。今回の受賞を励みに、従来の発電方法とは全く違う世界初の高効率・低コストな発電方式「人工筋肉発電」を早急にビジネス化し、少しでも社会に貢献できるよう、精一杯努力して参る所存でございます。今後とも皆様方のご指導・ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

弊社発電技術の特徴として、「小型から大型まで、あらゆるサイズの電力ニーズに対応できる」ということと、「数十センチ程度の小さな波でも発電が可能」ということがあります。弊社が最初に製品化を目指しているものは、このような特徴を活かした、水産養殖や航路標識、各種監視ブイ向けの小型の発電機です。特に水産養殖の分野では、高効率化のための電力ニーズは高く、非常に有望な市場と言えます。人工筋肉波力発電という世界初の技術に対する認知度と実績を上げるため、まずは「その場で発電してその場で使用する」というエネルギーの地産池消モデルのビジネス展開により技術を普及し、その後、2012年度以降に本格的に展開されることが予想されている「大型波力発電市場」への参入を目指します。空気の830倍もの密度を持ち、断続的ではあるが、風力や太陽光と違い、比較的予測可能な海洋エネルギーは、理想的な自然エネルギーと言われております。近い将来、波力・潮力といった海洋エネルギー発電は、再生可能エネルギー市場の主役となる可能性を持っており、弊社の発電技術と、海洋国日本のものづくり技術をもってすれば、この市場の主役となれると確信しております。弊社事業は、世界に日本のものづくり技術を再認識してもらう、という大きな可能性を持っていると考えております。

今後の受賞事業の展望をお聞かせください。

2010年春を目処に、航路標識や水産養殖機器向けの小型波力発電モジュールの試作機の販売を開始し、今年度中に小型波力発電モジュールの製品化を目指します。同時に国内外の波力発電企業、素材関連企業等と連携して大型波力発電モジュールの製品化開発も行い、2012年を目処に大型波力発電モジュールの製品化を目指します。弊社は波力発電システム全体を製造するのではなく、高効率・低コストな波力発電専用の「発電機」のみを製造・販売するというビジネスモデルを採用しているため、弊社事業にご賛同頂ける企業様との連携は非常に重要です。今後はパートナー企業様との連携をさらに深め、早急に波力発電市場への展開を進めていきたいと考えております。将来的には、波力発電専用の発電機だけでなく、風力や水力等、全ての再生可能エネルギーに適した発電機を開発し、日本発のグローバルスタンダード技術となれるよう邁進致します。