『gomino-kimochi』 影山 友章

<'09 カルチャー部門 エココミュニケーション 準グランプリ受賞>

【概要】

資源を吸い上げられ、ゴミとして捨てられていく、地球の悲鳴を表現した「悲しい表情」を、地域指定のゴミ袋にプリント。
当たり前のように“ゴミを生み出し、ゴミを捨てる”という行為が繰り返されている現代において、人々に「“ゴミを捨てる”ということの本質に気付かせる」ことをコンセプトとした作品。“悲しい表情”のグラフィックによってゴミ袋のネガティブさを強調することで、人々の地球の資源保全とゴミ削減への意識付けを図っていく。


【受賞者コメント】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけをお聞かせください。

まず初めのきっかけは、社会人になり一人暮らしを始めた時、自分ひとりの生活の中でも、これだけ多くの量のゴミを生み出していると知り、驚いたことです。それ以降、ゴミ回収日の朝にゴミを捨てに行く時、罪悪感を覚えるようになりました。そして、「ゴミを捨てる事は、実はとても悲しい事なんだ」と気付き、デザイン、コミュニケーションの力で、皆にもこの事実を気付かせることができないだろうか? と考えるようになりました。

今後のエココミュニケーションの可能性についてお聞かせください。

生産と消費を繰り返すことで成り立っている現代社会において、規則や制約により、回り続けるバランス(生産と消費)を崩してエコを浸透させることは、残念ながら不可能であると思います。そんな中、感覚的力で回り続けるバランスを支配しているデザイン、コミュニケーションの力こそ、エコという言葉を昇華させることができる、唯一にして最高の媒体であると考えております。

受賞の感想をお聞かせください。

まず、eco japan cupを開催、運営していただきました全ての方々に、感謝の気持ちを伝えたいです。そして、渾身のアイデアを評価していただけたことは、とても喜ばしい気持ちと共に、今後も創作活動を続けていく上での、大きな自信になりました。
今後の作品づくりについての展開をお聞かせください。
私は現在、プロダクトデザイナーとして大量生産大量消費に関わる仕事をしているのですが、モノを大量に生み出し、大量に消費する事で成り立っているこの現代社会に、日ごろから疑問を感じておりました。
そんな中、このeco japan cupをきっかけに、デザイン、コミュニケーションの力に、新たなベクトルを見出すことができた気がいたしております。今後は、デザイン、コミュニケーションの力で地球を救っていけるようなクリエーターになっていけるよう、日々精進していこうと思っております。