『廃棄紙を主原料にしたポストプラスチック原料MAPKA(マプカ) ®事業』 株式会社環境経営総合研究所

<'08 ビジネス部門 環境ビジネス・ベンチャーオープン 敢闘賞受賞>

【概要】

印刷業や紙加工業から年間約500万トン排出され、大半が焼却処理されていた廃棄紙を新技術で50ミクロンにパウダー化し、合成樹脂や無機フィラー等を均一混錬させ、従来のプラスチック成型技術で自由に成形できる混成材料「MAPKA(マプカ)®」を開発。重量比51%以上が廃棄紙パウダーのため、廃棄時は紙として処分が可能。機能的にもプラスチック製品と遜色なく、かつ耐熱性は約130℃とプラスチック製品(60〜120℃)に勝る。従来のプラスチック製品と比べ、「ナフサ原料使用量の削減」および「廃棄物焼却量の削減」によるCO2排出量の大幅削減を実現する、画期的なポストプラスチック原料である。
「MAPKA(マプカ) ®」の主原料に廃棄物を活用するため、リサイクル材原料でありながら低コストで原料を調達できることで、高い競争力を有する製品作りを可能としている。
また、ビジネスモデルとして、環境経営総合研究所は原材料の仕入・製造のみを行い、製品製造はすべてFC化することにより、設備・人員の負担を軽減。さらに大手商社が販売代理店となることで、与信管理・資金回収が効率的に行えることになり、ランニングコストを低く抑えながら、会社規模よりスケールの大きなビジネスを展開することができる。
現在はアメニティを中心とした小物のマーケットを展開しているが、今後は家電本体や自動車部品として長期継続使用に耐えられる素材の開発を進め、「メイドイン・ジャパン」を復権し、ポストプラスチックとなることを期待されている。


【受賞者コメント】

環境ビジネス・ベンチャーオープンを受賞された感想をお聞かせください。

創業から10年、ゼロからスタートし、マーケットの実態に合わせたベンチャー企業が生き残れるビジネスモデルを構築し、一定の成果を出していることをご評価いただいたと思います。

受賞事業の今後の可能性についてお聞かせください。

開発から5年、少しずつアイテムを増やし、売上実績を積み上げてきたことにより、注目を集められるようになりました。当該事業はこれからが拡大期です。海外展開を含め、パートナー企業とスピードアップして、マーケット開発に取り組みます。

今後の受賞事業の展望をお聞かせください。限りあるナフサ原料を考えたとき、MAPKAはポストプラスチック原料として、工業用品から家庭用品にいたるまで、幅広く活用される次世代原料に定着させていきたいと考えています。5年、10年と時間はかかるでしょうが、一つの文化を変えられると思います。