『とくいの銀行 TokuinoBank』深澤 孝史

'12 カルチャー部門 エココミュニケーション グランプリ受賞>

【概要】

2011年、茨城県取手市井野団地住人を中心とした人々の活動の輪を広げるコミュニティづくり「とくいの銀行」プロジェクト発足。お金の代わりに団地に携わる人々の「とくいなこと」を預かり、預けた人は、他の人が預けた「とくいなこと」を引き出すことができるというしくみで運営。団地の「無形資源」を蓄積、交換し、体験する。「ひきだしイベント」の開催や、複数の「とくい」を同時に体験できる「ひきだそう会」など次々と企画が進行中。

【受賞者インタビュー】

受賞作品の制作に取り組んだきっかけを、お聞かせください。

取手アートプロジェクトさんの団地で展開するアートプロジェクトに招聘され、企画していきました。

受賞されたTokuinoBankは、いろいろな場所で展開されているとのことですが、実際に展開するにあたって苦労されたのは、どのような点だったでしょうか?

僕は浜松市に住んでいるのですが、3カ月だけ浜松で試しに開きましたが、基本は取手市だけでオープンしています。イベントというより、日常的に運営するものであるということと、みんなが集まれる公共的なスペースが必要なところが重要な点だと思います。あと、「ひきだす」という行為にイメージがわきにくいので、試しのイベントを開いたり、預けた人とひきだした人の予定の調整など、いろいろでてきますね。

受賞された感想をお聞かせください。

はじめエコアート部門で応募したのですが、こちらの部門で評価され、さらにグランプリまで受賞できたので大変驚いています。しかし、これまでの活動でもコミュニケーションについて様々な実験をしてきているので、不思議な巡り合わせを感じています。

今後の活動や展開の計画を、お聞かせください。

ドキュメントブックとして「とくいの銀行開業マニュアル(仮)」を発行予定です。また先日「とくいの銀行」として、はじめて中学校へ出張ワークショップを行いました。私も銀行をオープンしてみたい!という方がいましたら、いつでもワークショップに駆けつけます!

エココミュニケーションの可能性についてお考えがあれば、お聞かせください。

身の回りのとらえかたが変わっていくちょっとしたきっかけのようなものかもしれません。浸透していけば、それ自体意識しなくなるような、あとは即興性みたいな要素もあるのかな。

  (2013年2月22日インタビュー)