『市民共同発電を中心とした再エネ発電事業と地域経済活性化プロジェクト』中川 修治

'12 ポリシー部門 環境ニューディール政策提言 グリーン・ニューディール準優秀提言>

【概要】

これまで利用されることの無かった自然の恵み、太陽の光から、太陽電池というデバイスを使い、今まで一方的に送られてくるだけだった電気を、市民自らが、自分たちの使うエネルギーを自らの手で作る取組みである。このプロジェクトでは、自然エネルギーという地域固有の資源から生み出された新たな価値が地域内を還流し、地域社会の活性化を生む。またその成果が評価の対象にもなっており、それが更に社会を豊かにすることになる。

【受賞者インタビュー】

提言されている問題に、関心をもったきっかけをお聞かせください。

原発が目と鼻の先にある島根県松江で30年前に仕事を始めたこと、チェルノヴイリ事故の年に宮崎に異動、そこが 日本で最も放射能が降った場所だった事、その後、その宮崎に原発を誘致という話になったことと、経済問題から見て田舎を仕事で取材した時に何故、東京の一人勝ち、田舎の総負け状態になるのかということが常に気になっていたからです。そして、宮崎県串間市での脱原発運動の一環として始められた代替エネルギーを自分たちで作る取組みを通じて、これまでの枯渇性資源を使った持続不可能な文明から新たな世代間にわたる公平で公正な誰もが参加できる仕組みとしての市民共同発電所とそれによって生み出される価値で自立する経済ということに思い至りました。

この提言を応募されたきっかけや動機などを、お聞かせください。

知り合いから応募してはというオファーを受け、多分、広く皆さんに知って頂くべき内容だろうと思い応募しました。先に述べた様に、私たちの文明が枯渇性資源に依拠し持続可能ではないという欠陥と人々の社会経済活動を豊かにするべき通貨の根本的欠陥を同時に解決する事が必要と考えてプランを設計してあります。成果評価によって地域経済が自立的に動くことを目的としています。 日本での再エネ支援施策が補助金というものしか無いことで起きた問題点は継続取材する中で分かっておりましたので、これをFITでの支援とすると同時にそれが生み出す価値を地域経済に投げ返すことで地産地消型の持続可能な実体経済をどこか見える形にしてくれればと思っています。

受賞された感想をお聞かせください。

せめて、交通費位は出して頂けたらと思いました。(苦笑)余程、出かけてくるのを止めようかと思いましたが、興味を持ってくれる方々に会ってその内容をお伝えする事が出来るならと思いやってきました。私のプレゼンが下手だったので準優秀賞だったのかと若干残念です。ただ、他の受賞者の方からは興味を持って頂いたようなので、この考え方をどこかで実現してもらえれば良いかなと思っています。出来れば、地元宮崎で何処かの自治体が取組んでもらえると良いと思っています。

今後の活動や展望について、お聞かせください。

基本的にはこれまでやって来たことを皆さんと一緒に進めていく、理解者もだんだん増えているので何処かで確実に形になっていくことでしょう。ただ、圧倒的に不良資産を作る今の文明の力が強いのでそろそろ疲れて来ています。 これまで、実際には自治体で取組まれている湖南市・東近江市など滋賀県の基礎自治体があるので、ここで皆さんと、さらに実態に即した取組みへと作り上げていく活動を続けることになるでしょう。各地で取組まれる事を期待します。

(2013年2月22日インタビュー)